おはめだ!
よく「IntelのCPUは作業が得意」といった声を聞きませんか?これにはちゃんと理由があるのです。
今回はIntel最新世代CPUに搭載されている「ハイブリッドアーキテクチャー」について解説します。
ハイブリッドアーキテクチャーとは
インテルが開発した「ハイブリッドアーキテクチャー」は、1つのCPUの中に、役割の異なる2種類のコア(CPUの心臓部分)を組み合わせた新しい設計手法です。
従来のCPUは、全部のコアが同じ性能でした。
しかしゲームをする時と、動画を編集する時では、求められる性能が違いますよね。そこで登場したのが、得意分野が異なる2種類のコアを組み合わせる「ハイブリッド」方式です。
高性能な「Pコア」が6個と、低消費電力の「Eコア」が4個。合わせて10コアというわけです。
Pコアは重たい処理を一瞬で片付け、Eコアは軽い処理を効率的にこなす。うまく協力することで、高性能と低消費電力を両立します。
PコアとEコアの役割
Pコアは、高速で重たい処理を得意とするコアで、ゲームのメインの処理などを担当します。
一方、Eコアは、Pコアほどの速度は出ませんが、複数のタスクを同時に効率的にこなすことができ、動画の編集作業やウイルス対策ソフトの動作など、バックグラウンドで行われる処理を担当します。
Intel Thread Directorの役割
しかし、どの仕事をPコアに割り当て、どの仕事をEコアに割り当てるのか、を決めるのは簡単ではありません。そこで重要な役割を果たすのが「Intel Thread Director」という特別な技術です。
Intel Thread Directorは、AIの一種である機械学習を使って、各コアの状態を常に監視しています。そして、その時々の状況に合わせて、最適なコアに仕事を割り当てます。例えば、ゲームをしている時は、その処理をPコアに割り当て、バックグラウンドでメールをチェックする作業はEコアに割り当てる、といった具合です。
さらに、Intel Thread Directorは、Windowsの タスク管理システム(スケジューラ)とも連携しています。これにより、スムーズに仕事を進められるようになっています。
ユーザーのメリット
この「ハイブリッドアーキテクチャー」のおかげで、ユーザーは自分のしたいことに合わせて、最高の速さでパソコンを使うことができます。
例えば、大きなサイズの動画を編集しながら、ウェブを閲覧したり、メールをチェックしたりできます。また、最新の3Dゲームをプレイしながら、動画の録画や配信をすることもできます。
このように、同時に複数の作業を行う場合でも、CPUが賢く処理を振り分けるため、ストレスを感じることなく、快適にパソコンを使うことができるのです。